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薬の管理は誰がするの?
共同生活援助(グループホーム)の生活の中で、病院からもらってくる薬の管理はどうしているのか?ご存じですか?
人によって飲む回数や飲む種類、飲む数量が全く異なる服薬についてご説明します。
基本的に共同生活援助(グループホーム)では最終目標として「自立した生活ができるように」という訓練の側面もありますので、薬の管理も「自分で管理する」というが基本となります。
したがって、病院からもらってきた薬は自分で保管し、自分で服薬することが基本です。
しかし、服薬は回数も種類も数量も個人差があり、状況によっては数十種類の薬の量になる人もいて、いつの日か確実に「飲むのを忘れる」のが服薬の最大の難点です。
この問題を解決するために、利用者さんが共同生活援助(グループホーム)に入居する前の事前打ち合わせの中で「服薬管理をどうするか?」について話し合ってその方法を決めていくのが一般的です。
その事前打ち合わせには相談支援員さんや障害福祉課の担当者さん、共同生活援助のサビ管さん、病院のケースワーカーさんなどが出席し決めていきます。
服薬管理についてどんなことを話し合うのか?
利用者さんが入居する前に関係者が集まり開催するケア会議では、
・1日に何回服薬するのか?
・その1回でどのくらいの量になるのか?
・飲み方に注意点はあるのか?
・それぞれの薬の効能は?
・薬は何週間分を1回で出されるのか?
・その薬の残りは誰がいつも持っているのか?
・本人が管理するのか?
・グループホームの担当が管理するのか?
・本当に服薬したのかどうか?をどうやって確認する?
などを話し合います。
さらに「大量に服薬する可能性があるか?」と「大量に服薬した場合どうなるか?」も必ず話し合います。
「薬の大量摂取」は件数が少ないものの絶対にないとは言い切れません。理由はわかりませんが、病院の医師から決められた数量や回数で薬を飲みたくなくなる時があるのです。
「薬の大量摂取」は場合によっては「死」に繋がることもあるので、共同生活援助(グループホーム)において服薬管理は結構重要なウエイトを占めています。
Aさんの服薬管理の例…
ここでAさんの例をあげて具体的に説明します。
Aさんの服薬に関しては以下の通りです。
1日4回服薬(朝、昼、夜、寝る前)
頓服が必要(状態が悪い時のみ服用、1日1回まで)
病院から4週間分の薬を出されている
Aさんが入居している共同生活援助(グループホーム)は、利用者さんごとに管理方法が異なっています。
・本人に管理と服薬を全てお任せしている人
・薬の在庫はサビ管さんが預かり朝に1日分の薬を渡してその日の薬だけを本人に管理してもらい次の日の朝に昨日の分の薬の空袋を提出してもらう人
・朝食、夕食などの時にその都度必要な薬を渡しサビ管さんの目の前で飲んでもらい飲んだ後にクチを開けて薬がないことを確認する人
など様々な状況に対応していました。
Aさんは2番目の「薬の在庫はサビ管さんが預かり朝に1日分の薬を渡してその日の薬だけを本人に管理してもらい次の日の朝に昨日の分の薬の空袋を提出してもらう人」の方法で服薬することになりました。
Aさんの一日の流れは以下のようなイメージです。
毎朝、まず昨日の分の薬の空袋をサビ管さんに渡します。
この時に例えば昼の薬の空袋が無かった場合、もう一度部屋の中を探してポケットな中なども確認します。
なので、空袋は必ずなくさないようにシッカリと持ち歩いています。
その日の分の薬を朝にもらうのでその場でスグに朝の薬を飲みます。後からでいいやと思うと忘れるのでスグに飲みます。
そして日中は就労継続支援B型に通っているので昼の薬だけを持って出発します。
夕方に共同生活援助(グループホーム)に戻り夕飯を食べた後、薬を飲みます。
この時に空袋を捨てないように自分の部屋のテーブルの上に置いておきます。
そして寝る前に薬を飲み同じようにテーブルの上に置いて寝ます。
できる限り服薬を忘れないように心がけていますが、それでもたまに忘れてしまうのが人間です。
幸いなことにAさんは服薬を忘れることもなく、徐々にですが服薬の量も減ってきました。
今では朝、夕の2回だけの服薬で済んでいるようです。
まとめ
・共同生活援助(グループホーム)の服薬管理は、基本は「自分で管理する」ではあるが、各人の状況により服薬の管理方法を変えることがある。
・病院の医師から処方された薬なのでとても重要。決められた通りに服薬するのが望ましい。
・一番良くないのは「服薬しないでそのままにしてしまうこと」。
・定期的に服薬するのが難しいと感じた時はサービス管理責任者さんなどスタッフに相談してみるのが良い。